桜井あけみ 初めての一般質問 2007年6月27日   No.1

(順番は宮内氏・高橋氏・和田氏で私は4番目午後からでした。)
*長くて恐縮ですが、初めてですので要約せずに全文を掲載してみます。
こんなやりとりでした。



 初めての議会での一般質問です。少々緊張しておりますし、不慣れな状態でこちらの質問趣旨が十分に伝えきれるかどうか不安ではありますが、よろしくお願いします。

 さて、今回、私が質問したいことは2点。どちらも「安心、安全な飲料水の確保」に関する質問です。おりしも、22日夕方の局地的な集中豪雨により、23日より供給が不能となりました北見市の断水の問題は、どこの地域にも起こりうる問題であり、その対応対策の必要性を改めて再確認した問題でした。自然災害で発生した問題が、対応次第では人為的事故にもつながり、住民の生活、生命をも脅かすことになりました。水の大切さを改めて実感いたしました今回の事故でした。
 3月議会に置いて、一般質問にもございました、斜里町民の飲料水として利用されている水源地の上部に計画された廃棄物施設の問題は、それまで何の不安も持たず、美味しい水はこの町の「あたりまえ」と思っていた私たち住民に、その計画場所、内容によりたいへん多くの不安を抱かせました。さいわい、諸般の事情によりこの計画は撤廃されました。しかし、今回のような問題に関わらず、今後も町の大切な水源の保全と確保に対し、斜里町としての対応と対策、そして町長ご自身の、私たち住民が利用する飲料水の水源地保全に対するお考えを、一点目として伺います。

 また、今回の北見市と同じように河川からの取水による飲料水の供給が行われておりますウトロ地域は、雪解けの頃、あるいは今回のような集中豪雨などの気象条件、季節の条件によりさまざまな問題が発生し、必ずしも安定的な供給が保証できない状態にあります。そのため、斜里町担当職員の専属的な管理が不可欠な状態です。地域の人口の何倍もの観光客をかかえるウトロでは、町長の町政執行方針にもありましたように、訪れる観光客に様々なサービスの提供が不可欠となっております。地域での受け入れについては様々な安全対策で気を抜くことのできない対応に徹しております。
 今回の北見市のような断水が、もしもウトロ地域で、しかも繁忙期に起こったならば、と考えますと不安でなりません。ここで暮らす私たち住民はもとより、観光客への安全な飲料水の安定的な供給への対応、対策と、この現状、つまり専属的な町の担当職員が時には泊まりがけで管理している取水施設であるこの現状をどの様に認識されていらっしゃるのかを、2点目として伺います。



 町長からの回答

  (この回答については質問当日に議会の机の上に配布されていましたので、それを読んでから再質問を考えました。)


 桜井議員の質問にお答えいたします。
まず、水源地の保全に関するご質問にお答えさせていただきます。先般、集落水道組合管理の水源地の隣接地に、廃棄物施設の設置が計画されたことから、受益者である地域住民の方々には飲料水に対する不安を与え、行政としても対応に苦慮したところでありました。この件で混乱を招いたのは、事業者の計画初期段階における基本的な調査不足が原因の一つでもあり、結果的に、示された施設計画は白紙撤回された訳ですが、住民の安全な暮らしを守るうえで、私も大いに危機感を抱きましたので、今後とも官民問わず連携のうえ、日頃から監視体制強化の必要性を痛感したところであります。議員ご指摘の水源地の保全においては、従来からエリア内に保有している町有林の整備や河畔林の保護、さらには流入土砂の防止など日常的な維持管理に努め、また、ライフラインである水源地の保全対策を講じてきております。斜里岳山麓からの湧水を源とした我が町の上水道は、水質や水量にも恵まれ、他に類を見ない安定した水源であり、斜里町が誇る宝と言っても過言ではありません。しかしながら、現実としては、近年、来運地区に限らず、集落水道組合管理の水源地エリアに隣接する民有林の伐採や、農地造成が浸食してきているのも実態として見受けられます。これらの産業開発行為が、果たして水源や水質に影響を及ぼすのか、現時点では科学的に把握できておりませんが、いずれにしろ、豊かな水源を後世に引き継ぐためにも、私は、生命の源である安全な飲料水を供給するという水道管理者の責務として、地域住民や山林保有者等のご理解とご協力を得ながら、全町的な啓発にも努め、長期的な展望に立ち、水源地周辺の涵養林や水源の保全用地を可能な範囲で確保していきたいと考えておりますことを申し上げ、水源地の保全に対してのお答えに換えさせていただきます。 

 次に、ウトロ簡易水道の安定的な飲料水の供給と管理体制についてのご質問にお答えいたします。
桜井議員ご指摘のとおり、ウトロ簡易水道の水源は、ペレケ川上流に取水口を求めており、おのずから普通河川の流域でありますので、大雨の気象条件や、春先の融雪時には急激に水質の変化が生じ、その都度、地域の皆様にはご不便をおかけしている状況にあることは、私も十分に承知しております。そのような事態の現実的な対応としては、庁舎に設置しております自動遠隔水質監視装置に、ウトロ浄水場からの水質異常情報が入り次第、昼夜を問わず、水道課担当者が現地に赴き、24時間の不眠不休の体制で水質の監視をし、濁水の停止や取水制限を行いながら、ウトロ地区への飲料水の供給に支障の無いように努めているという実態にあります。
 しかしながら、議員もご承知のように現存のウトロ浄水場は極めて旧式の施設であり、かつ老朽化も進み、安定した水量の供給や、河川水の濾過処理能力にも一抹の不安が残るものであります。このことから、観光施設の大規模化などにより、急激に飲料水の需要が増加してきているウトロ地区の情勢を鑑み、一日も早い施設の増設・改修を行い、異常時にも即応できる水質監視体制を講じたうえで「安全・安心・安定」した飲料水を恒常的に供給できる高度な処理施設への転換を図って参りますことを申し上げ、ウトロ水道に関するお答えとさせていただきます。



再質問
(斜里町議会では質問時間や質問数の制限はなく、一つの質問に対して再々質問まで、という質問回数制限があります。再質問、再答弁からは事前の原稿はありません。)
再答弁


(桜井)ただいま、お答えをいただきましたように、斜里町の水の安全、安心はこれからも次世代に残して行かなくてはならない大切な宝であり、財産だと認識し、斜里町も真剣に取り組まれていらっしゃることが分かりました。しかし、それならば、さらに水源地の保全や地下水の安全に対する問題については、周辺山林所有者や土地所有者の理解や協力といった、ともすれば普遍的な、産業、経済的な問題に対してなんの効力もない、意識にゆだねるのではなく、水源地の保全と言うはっきりした目的を持ったくくりの中で、町民が口にする飲料水全体を包括する条例等の取り組みが必要なのではないでしょうか?私たちにとっては、どこの事業主体であろうとも、この町の住民として享受できるおいしい水です。それは、この豊かな環境に守られてきたこの町全体の宝です。
いま、ここでそれぞれの事業主体が連携をとりながら、この問題に対してオーソライズされた条例制定に取り組むことは、ある意味では縦割り行政のいずさを日頃から感じてきている住民の一人として、これからの行政改革の意識改革の一端にもつながることではないでしょうか?さらなる意識改革の一つとしても、斜里町の水源地の保全に関して、各飲料水供給事業者の連携が、これからの安全保全対策を実行していく際の実行力ある条例にもつながると思います。将来にわたり、この町のおいしく、安全な水を守るために、この包括的な保全へ取り組まれていくことは、今後の斜里町行政の対応としては可能でしょうか?縦割り行政の弊害と矛盾を日頃より感じ、また、行政改革に積極的に取り組まれていこうとされている村田町長に再度伺います。


(町長)庁舎内の窓口がたくさんあるというような部分で、それぞれの水道等、農業サイド観光サイドとか、いろいろそれぞれの部分でばらばらになっておりますから、まずは庁舎内で水に関しての統一した窓口をきちっと設けたいなというふうに思っていますし、今お聞きしまして、条例等々の話もありましたから、その辺もいろいろ検討させていただきたいと、そういうふうに思いますのでご了解していただきたいと思います。



再々質問
 (思った以上に前向きな答弁だと思いました。「水に関しての統一した窓口」と「条例等の検討」に関しては継続して実現を求めたいものです。) 
再々答弁



(桜井)是非、この問題につきましては今後の積極的な対応と条例等の整備について実現するよう期待しますし、これからもこの問題については確認させていただきたいとお思います。
ウトロの問題については、住民として不眠不休の職員の健康状態も心配しなくてはならないような体制が正常であるはずはありません。早急に必要な対応対策に向けて整備をすべきです。そのための財源確保に関しても、こと水の問題については安全を期すべきと考えます。具体的な年度と予算等をお答え下さい。

(町 )簡易水道の、いまウトロの部分ですね。浄水場改良事業として19年度から実施設計に入って、そして20年度に改良工事に入るという計画になっております。それで予算は8億円という額を想定しております。北見でああいうふうな大事故がおきましたし、ウトロであってはならないし、斜里市街地でも起こってはならないことだと思いまして、水の確保にはほんとに命を掛けて全力取り組む覚悟です。


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